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学術奨励賞 山田 恭暉

 日本臨床検査医学会学会賞(学術奨励賞)は、本学会員で臨床検査医学の諸分野において意欲的に研究に従事する研究者に与えられる。平成14年度は学会賞審査委員会の厳正な審査の結果、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の山田恭暉助教授が「ATLを腫瘍モデルとした分子診断の開発」のテーマで受賞した。

 山田恭暉氏は長崎大学医学部を卒業後、同大学血液内科(原爆後障害医療研究施設・後障害治療部門)に所属し、血液内科学を中心に研究・教育・診療に従事してきました。この間、米国Cleveland Clinic HospitalのDepartment of Laboratory HematologyにResearch Fellowとして留学し、国際的視野に立った検査血液学の研鑽を積んでいます。平成7年より臨床検査医学講座(現在の長崎大学大学院・医歯薬学総合研究科・臨床検査医学部門)に所属し、講師を経て現職に至っています。平成13年には日本臨床検査医学会臨床検査専門医に認定され、長崎大学付属病院における検査部の管理、学生の教育や血液内科での診療に加え、大学院生に対する研究の指導を行っています。また日本血液学会、日本臨床血液学会および日本検査血液学会の評議員として活躍し、長崎大学医学部より角尾学術賞を、Japan Clinical Oncology Study Group (JCOG)からはThe Best Study Coordinator賞を贈られています。

 今回の受賞の対象となった成人T細胞白血病(ATL)に関する研究では、ATLを腫瘍性疾患のモデル素材として用い、発癌や発癌後の増悪進展、転移や臓器浸潤などの悪性腫瘍に共通した様々な分子異常を明らかにしています。つまり、発癌および増悪進展には癌抑制遺伝子であるp16遺伝子の異常(遺伝子欠損や翻訳障害)や、アポトーシスシグナル伝達系の異常(Fas遺伝子変異やsurvivinの過剰発現)が関わっていること、また臓器浸潤にはサイトカインやケモカイン、さらにはVEGFやMMPが関与していること等を明らかにしています。更にこれらの新知見を単なる発見に終わらせることなく、臨床検査として臨床に還元することを目的とし、分子異常を診断するための検査法を確立しています。

 このように極めて先進的かつ意欲的に行われたこれらの一連の研究は、検査医学の分野のみならず腫瘍学の発展にも大いに貢献するものと期待されます。

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