2005年10月7日
EBLM委員会報告

                              委員長 戸谷誠之

報告内容

1.EBLMに関する基礎知識の普及を図るために、委員による講習会を企画し、
実施する。初年度の試みとして総会最終日の11日午後にショートコースを計画
して実施予定である。このコースには現在15名(予定)の受講者がある。

2.学会全体が、よりEBLMを尊重することを提言する。具体的には、編集委員
会に対して掲載論文の選択について提案する予定である。

3.「臨床検査のガイドライン」など学会が提示する文書についてもよりEBLM
を尊重した内容にするよう文書で提案する。

4.症例対照研究の限界を多変量解析で乗り越える一次研究を主導するため、ゲ
ノム情報を包含した症例データベース構築の必要性については一致したが、学
会がどこまで関与すべきかについて委員会としての議論を深める予定である。


                               2005年3月23日 EBLM委員会報告                               委員長 戸谷誠之 報告内容 1.2005年1月30日に委員会を開催し今後の活動について検討した。その結果、以下の事 項と担当委員を決めた。 (1)よりEBLMを尊重して編集委員会が掲載論文を選ぶよう文書で提案する(文案作 成担当:桑島委員)。 (2)「臨床検査のガイドライン」をよりEBLMを尊重した内容にするよう文書で提案 する(文案作成担当:三宅委員)。 (3)学術集会でEBLMの基本を学ぶ有料のチュートリアルを開催するよう運動する (総会長への打診:戸谷委員長、企画案の作成:石田委員・片岡委員) (4)症例対照研究の限界を多変量解析で乗り越える一次研究を主導するため、ゲノ ム情報を包含した症例データベース構築の必要性については一致したが、学会がどこ まで関与すべきかはもう少し議論する。 2.以上の計画に沿って、本年度総会(検査2005)において第一回のチュートリアル開催 を計画中である。                                     以上
    日本臨床検査医学会 EBLM委員会 2004年度第2回会議 議事要旨 日時:2005年1月30日(日)10時30分〜12時30分 場所:東京医科歯科大学 医科新棟5階 第2ゼミナール室 出欠状況:   出席  石田  博、市原 清志、片岡 浩己、桑島  実、戸谷 誠之、       西堀 真弘、三宅 一徳   欠席  神辺 真之、高橋 伯夫担当理事 議事要旨: I.まず戸谷委員長と西堀副委員長から、ポストゲノム時代に入りEBLMが大きな転換 期を迎えつつあることについて以下の説明があり、それを踏まえて、EBLM委員会の今 後の方針を検討して欲しいとの説明があった。  即ち、現在の疾患分類はゲノム因子的にはヘテロジニアスであることが明らかにさ れつつあり、臨床診断名によって群分けしている従来のメガトライアルは、例えば本 来存在する薬物への反応差が薄められていることが明らかになってきた。そうなると 検査診断についても、ゲノム診断の比重が飛躍的に高まるため、既存の病態検査を対 象としたシステマティックレビューは時代遅れになる恐れが高い。 II.議論の結果、ゲノム診断の最新情報は適宜会員に啓蒙するに留め、まずは足下を 固める活動を優先することになり、次のような方針で一致した。 (1)よりEBLMを尊重して編集委員会が掲載論文を選ぶよう文書で提案する(文案作 成担当:桑島委員)。 (2)「臨床検査のガイドライン」をよりEBLMを尊重した内容にするよう文書で提案 する(文案作成担当:三宅委員)。 (3)学術集会でEBLMの基本を学ぶ有料のチュートリアルを開催するよう運動する (総会長への打診:戸谷委員長、企画案の作成:石田委員・片岡委員) (4)症例対照研究の限界を多変量解析で乗り越える一次研究を主導するため、ゲノ ム情報を包含した症例データベース構築の必要性については一致したが、学会がどこ まで関与すべきかはもう少し議論する。                                    以上
    日本臨床検査医学会 EBLM委員会 2004年度第1回会議 議事要旨 日時:2004年9月2日(木)午前9時〜10時 場所:京王プラザホテル 本館5階 こすもす2 出欠(50音順、敬称略):  石田  博 欠席  市原 清志 欠席  片岡 浩己 出席  神辺 真之 欠席  桑島  実 欠席  高橋 伯夫 出席  戸谷 誠之 出席  西堀 真弘 出席  三宅 一徳 出席 議題: I.活動計画(案)について、石田委員、市原委員から事前に寄せられたコメントを 含めて説明があった。 (1)文科省石田研究班が開発中のEBLM用エビデンスデータベースの実用化を支援する  ・編集委員会に学会誌査読過程への導入を働きかける  ・日常初期診療における臨床検査の使い方小委員会と連携し、具体的テーマを選ん   で系統的レビューを試みる  ・教育委員会に専門医資格と関連づけるよう働きかける (2)文科省市原研究班が開発中の多変量解析を応用した検査診断エビデンス生成シ  ステムの実用化を支援する  ・生成源となる検査疫学データベース構築の協力施設を募集し症例登録作業を支援   する  ・このシステムを活用するメリットを会員および医療機関に啓蒙する (3)第3回EBLM研修会は昨年の形式を踏襲して開催する  ・受講者が少なかった原因を検討し、スケジュールを再調整する  ・日時が確定し次第アナウンスする II.その後次のような議論があった。 ・何をやるかより、どうしたらEBLMを普及できるかをまず考えないといけない ・研修会の教材のレベルが、ある程度理解している者には物足りなく、逆に初心者に  はレベルが高過ぎ、中途半端なのも参加者が少ない一因ではないか ・後ろ向き研究によって得られた仮説の段階でも採択される基準が示されると良い ・生データと共に投稿してもらうコーナーを臨床病理誌に実験的に設けてはどうか ・データマイニング等外部の専門家とも連携してはどうか ・研修会をワークショップに衣替えし、実際にレビューをやってプロダクトとして蓄  積し、参加者を拡大委員に加えて仲間を増やしていくのはどうか ・その場合、新規収載検査とクラシックな検査を比較にするなど、臨床検査独自の視  点からテーマを区切り、レビューの作業量を絞る工夫が大切である ・委員会でレビュー作業に必要なソフトを作って提供できるとよい ・また古い検査は古い論文しかなく、逆に新しい検査はデータが少ないというネック  を回避するような工夫が必要である ・適当な文献がなく、我々自らが既存のデータを利用した後ろ向き研究を行うとして  も、バイアスの混入が不可避であることを忘れてはいけない III.議論の結果、研修会は、実際にレビューを行いプロダクトを生むようなワーク ショップに発展的に形式を変えて実施する、という方向で一致し、具体的計画を引き 続き検討することになった。また編集委員会には兼任している委員を通じて意向を打 診することになった。                                    以上
        日本臨床検査医学会EBLM委員会 臨時会議議事要旨 【日 時】2000年9月28日(金)11:00-12:30 【場 所】東京医科歯科大学内 レストラン「あるめいだ」 【出席者】  戸谷誠之副委員長、市原清志委員、北村聖委員、西堀眞弘委員、三宅一徳委員、  河合忠オブザーバー 【議 題】 (1)EBLM1次研究について(資料→http://temp.jscp.org/c_eblm/)  例えば検体の目的外使用等について、倫理面のガイドラインを明示する必要性につ いて検討した。厚生労働省の疫学研究におけるガイドラインの作成作業は、疫学関連 の学界の意見が調整できず難航している。そこで、「データから患者をたどれないよ うにする」など、これまでも当然と考えられてきた最低限の条件だけを明示してお き、厚生労働省の政府見解が出た時点でそれを遵守する方針とした。  委員会に提案されている研究デザインにつき、科学的観点および倫理面から意見交 換したが、未調整の部分については、今後の議論の取り扱いを神辺委員長に一任する ことになった。  提案のうち「検査疫学データベース」について、関連する委員間で具体的な打ち合 わせを行った。 (2)EBLM研修会について  議論の結果次のような骨子がまとまり、理事会に承認を求めることになった。 ・EBLM活動の普及を促進するため、実技中心にその主な手法を参加者に習得してもら  うことを目的とする。 ・国際臨床病理センター(ICPC)から経費の一部および会場係1名を支援していただ  く。 ・開催主体は、国際臨床病理センター(ICPC)の後援のもとにEBLM委員会が主催する  か、あるいは両者の共催とする。どちらにするかは、理事会に判断を委ねる。 ・参加費は無料、資料代として千円程度を自己負担。 ・東京で開催し講師やEBLM委員・ICPC/EBLM委員には旅費を支給。会場は東京医科歯  科大学を候補とする。 ・参加人数は30名程度とし、原則として学会会員を優先するが、それ以外の参加希  望もできるだけ広く受け入れる。 ・講師はEBLM委員を中心に選抜し、石田・市原・井上・北村・竹村・西堀・三宅の各  委員を候補として調整する。本日欠席の石田・井上・竹村の各委員には、神辺委員  長から正式に打診していただくのが望ましい。 ・開催時期は2002年2月9日(土)午後〜10日(日)午前を第1候補、同年2  月2日(土)午後〜3日(日)午前を第2候補とし調整する。 ・実行委員会を講師全員で構成し、準備作業を進める。 ・初日は座学によるオリエンテーションや基本的内容の講習、2日目は5〜6名の小  グループに分かれ、各1名の講師の指導によるパソコン等を使った演習、その後全  体で総括を行う。 ・演習は実行委員会で予行演習のうえ、文献検索、ハンドサーチ、システマティック  レビュー等の課題をグループ毎に配分する。 ・演習課題の対象疾患はIFCCの動きと歩調を合わせ、糖尿病を候補として検討する。 ・文部省EBD研究班(http://ebd.umin.ac.jp/)提案のチェックリスト  (http://ebd.umin.ac.jp/research/checksheet2_1.html)や  IFCC/C-EBLM(http://www.ckchl-mb.nl/ifcc/)が公開したチェックリスト  (http://www.ckchl-mb.nl/ifcc/toolbox.htm)も参考にする。 ・演習のプロダクトは、委員会報告として臨床病理やホームページに掲載することを  目標とする。                                    以上