第2回EBLMデータ解析研究会および委員会記録(2010.02.21)

日時:2010年2月21日(日) 10:30〜17:30 場所:虎ノ門病院 本館3階講堂 出席:石田・市原・稲田・片岡・佐藤・西堀・山西・吉野 ○プログラム 「臨床検査のための統計処理・データ 解析技術の進歩と課題」 10:30〜11:20 (1) 臨床検査における有意差検定のニーズと対応 稲田政則(虎ノ門病院) 11:20〜12:10 (2) 方法間比較の統計学的手法と使い分け 佐藤正一(千葉県循環器病センター)、市原清志(山口大) 12:10〜13:00 (3) システマティックレビュー・メタ分析の事例と利用上の注意点 石田 博(山口大) 13:00〜13:50 【EBLM委員会】 13:50〜14:15 (4) 検査値の季節変動・周期性の分析法 三宅一徳(順天堂大) 14:15〜15:30 (5) 因子分析・共分散構造分析の理論と応用事例 山西八郎(大阪大) 15:30〜15:40  --- 休憩 --- 15:40〜16:35 (6)クラスター分析の臨床検査への応用 片岡浩巳(高知大) 16:35〜17:10 (7) 次世代の業務支援・診療支援システムをめざして 吉野 誠(A&T) 17:10〜17:30 (8) 総合討論 ○EBLM委員会議事要旨 (1)市原委員長より、本年の学術集会において次の2つのセッションを提案し ている旨報告があり、委員間で意見交換した。 教育コース 「臨床検査医学のためのデータ解析法:その理論と使い方の実際」  1)研究デザインと偏り:1時間  2)重回帰分析による検査値の変動要因の分析法:2時間  3)臨床検査の診断的有用性の評価法:ROC分析 vs 多重ロジスティック分析:    2時間 ワークショップ  EBLMのためのデータ解析技術の進歩:使い分けの実際と利用上のピットフォール  1)方法間比較法の数理と使い分け(千葉県循環器病センター 佐藤)   ・一致度とカッパ係数   ・線形関係式の使い方(最小2乗法回帰、Deming回帰/標準主軸回帰の違い、    PB法)   ・Altmann plotの利用限界  2)変動要因分析法の使い分け:枝分かれ分散分析 vs 重回帰分析(演者未定)  3)臨床検査の相互関連分析の実際(大阪大学 山西)   ・因子分析   ・共分散構造分析  4)病態分類法と使い分け:階層化 vs 非階層化クラスター分析(高知大学 片岡) (2)次のような意見があった。 ・集客を図るにはニーズを十分に配慮する必要がある ・集客の観点からワークショップの表題は「論文作成に役立つ〜」などはどうか ・過去の受講者にアプローチしてはどうか ・学会誌以外に日本臨床検査医学会ニュースや関連MLにも告知してはどうか (3)議論の結果以下の方針で準備を進めることになった。 ・教育コースは従来から好評のため原案通りとする ・教育コースの研究デザインと偏りでは斯界の統計学的不備と要改善点を啓蒙する ・ワークショップの1)は関係式と予測式の違いと適切な回帰式に重点をおく ・ワークショップの2)は稲田委員にご担当頂き各統計手法の弱点も明示して頂く ・ワークショップの3)は新しい手法のトピックと位置づけ原案通りとする ・ワークショップの4)はデモンストラブルな応用事例を選んでご紹介頂く (4)今回の研究会や今後のワークショップ、教育セミナーで積み上げた成果を基 に、EBLMに関する実用的な解説書を来年の秋をめどに出版することとなった。  数理的なことをイラストを沢山使ってわかりやすく解説し、実用的な数値例を豊富 に取り入れた内容をめざす。                                    以上