日本臨床検査医学会 Japanese Society of Laboratory Medicine

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2020・2021年度理事長挨拶

日本臨床検査医学会
理事長 村上 正巳

理事長 村上 正巳

 このたび,2020年3月28日付で日本臨床検査医学会理事長を拝命いたしました.

 当学会は1951年に臨床病理懇談会として発足し,1953年に臨床病理学会,1955年に日本臨床病理学会,2000年から現在の日本臨床検査医学会となり,今年で70年目を迎える長い歴史と伝統のある学会です.1976年に日本医学会の分科会として加盟し,臨床検査医学を代表する学会として我が国の医学の発展に貢献してきました.

 臨床検査医学は医療のあらゆる分野に関連し,エビデンスに基づく臨床医学の根幹をなす学問分野です.日本臨床検査医学会として臨床検査医学の研究と教育の発展に貢献することに加え,医療における臨床検査の開発ならびに品質と精度の確保,保険医療における適正な臨床検査の実施と評価,臨床検査の普及と啓発に取り組む所存です.さらに,基本領域専門医としての臨床検査専門医制度の充実,臨床検査に関連する学会や団体との連携,臨床検査の国際化に積極的に取り組みたいと思います.

 2020年3月新型コロナウイルス感染が拡大してWHOによりパンデミックが宣言され,我が国においても感染者が急激に増加する未曽有の事態となっています.SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)PCR検査をはじめとする臨床検査の適切な実施と新たな検査法の開発が求められており,日本臨床検査医学会として臨床検査ならびに感染症に関連する学会や団体と協力し,新型コロナウイルス感染症の収束に向けて全力を挙げて取り組む所存です.

 2018年12月に検体検査の品質・精度の確保に関する医療法等の一部改正とそれに伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令が施行され,臨床検査の品質と精度を確保するための施設基準や方法等が示されました.ゲノム医療の実用化に向けた体制整備が求められているなかで,遺伝子関連検査を含めた臨床検査の品質と精度の確保はますます重要な課題となっています. 我が国の臨床検査を取り巻く様々な問題に臨床検査に関連する学会や団体と連携して対応し,日本臨床検査医学会の一層の発展に向けて努力する所存です.  

 日本臨床検査医学会の会員の皆様ならびに臨床検査に関わる皆様のご指導とご協力をお願いいたします.